市民公開講座「大災害に備える〜災害時に医療が必要な方の心構え・備え〜」に行ってきました!!の報告です。
本日は7回目
最終回となります。
〔もくじ〕
第1回 災害医療とは〔導入〕 http://asumosmile.seesaa.net/article/383798882.html
第2回 トリアージのことなど http://asumosmile.seesaa.net/article/383865673.html
第3回 持病のある人の心構え http://asumosmile.seesaa.net/article/385240307.html
第4回 阪神淡路大震災の教訓 http://asumosmile.seesaa.net/article/385402659.html
第5回 自分用の災害医療 http://asumosmile.seesaa.net/article/388386159.html
第6回 救急医療情報を携帯しよう
http://asumosmile.seesaa.net/article/390585421.html
講演は順天堂大学静岡病院救急診療科 岡本健教授。
岡本先生は災害医療の専門家です。
講演の最後に静岡県や順天堂病院での防災への取組を
ご紹介いただいたり、
聴講者からの質問に岡本先生が答えてくださいました。
その内容をピックアップしてご紹介したいと思います。
まずは、前回の続きで
避難所生活の注意点を。
1.水分を摂ろう
2.食べすぎ、食べなさすぎ、塩分の取りすぎに注意
3.人と積極的に話をしてストレス発散を心掛ける
4.散歩や体操をして運動不足解消を
5.自分の体調を記録しておこう
ということも、大切です。
そして、
「最大の災害対策は平時の健康を保つこと」
だと、岡本先生はおっしゃってました。
普段から健康に気を付けて持病をコントロールできている方は
災害時の避難所生活でも、比較的良好な健康状態を保てるようです。
日頃から健康管理。大切ですね。
続いて、
順天堂静岡病院の災害時対策を
ご案内します。
●順天堂大学静岡病院の災害時対策●
・災害拠点病院である(→災害時に重症患者の救命を担う)
・災害医療派遣チーム(DMAT)指定病院
・ドクターヘリ運航基地病院(重症者の広域搬送に活躍)
・災害医療コーディネーター(地域の災害急性期医療の調整)
・災害時透析拠点施設(予定)
●備蓄状況●
・水1000トン
・オイル(自家発電などに利用 約7日間)
・食料・飲料水
●発電機を増設
停電中でも一部の画像検査(CT,MRI,X線など)ができる
●防災訓練、防火訓練を定期的に行っている
この特集記事の第一回&第二回でもご紹介しましたが、
災害医療と平時の医療は違うものです。
災害医療は「避けられた死」を最小限にすること。
を目指しています。
災害医療は、「個」よりも「公」を優先します。
だから
大学病院のような大きな病院(災害拠点病院)は、
災害時には、
「命の危険が迫っている重傷者しか診てもらえない」と
患者側は理解しておく必要があるでしょう。
軽症者が押し寄せては、
重症者が助からない
軽症者も治療してもらえない
医療者は疲弊する
軽症者がしてもらいたい医療を受けるためには、
災害拠点病院ではなく救護所へ行きましょう
私たち一人ひとりの意識と協力があれば
救える命が増えるはずです。
講演の最後に、
岡本先生からの一言メッセージ
「発災直後は、とにかく自分の身をまもることだけを考えましょう」
「パニックならないでください。
そのために、災害が起きた時どこへ逃げるのかなど
災害時を平時から想像しておいてください。心がまえがあればパニックを防げます。」
【聴講者からの質問】
Q.特殊な薬を飲んでいる患者は災害時どうしたらいいですか?
災害拠点病院に行ったらもらえますか?
A.災害拠点病院は、重症者の救命処置を担っている役割をご理解頂きたい。
軽症者がこられても対応できない場合がある。
薬が欲しい場合などは各地に設置される救護所へ行ってほしい。
Q.重度障害がある子が災害に遭った場合、
かかりつけ病院に電話がつながらない時どのようにしたらよいか
全く想像がつかないのですが、、、
A.当院の場合は「災害伝言ダイヤル」を利用すれば病院の被災状況など対応状況はわかります。医療が必要な場合は、重度障害がある方は、
災害対応の優先準備が高いので、優先的に治療をうけられる。
Q.出産予定が間近にせまった妊婦はトリアージ上ではどのような扱いになりますか?
A.出産間近の妊婦は、災害弱者のカテゴリーに入りますので、優先して医療が受けられると思います。
・・・以上、質疑応答・・・
聴講者のみなさんは、熱心に講演を聞き質疑応答でも活発に意見をだされていました。
この市民公開講座の様子は、
順天堂大学静岡病院のホームページにも掲載されています。
≫http://www.hosp-shizuoka.juntendo.ac.jp/event/open_lecture_bn_28.html
私も講演内容に感動を受けました。
ぜひ多くの方にも聞いてほしい、
多くの方の災害対策につながって欲しいと思い
私なりに頑張って書いてきたのですが、
講演の一部しかお伝えできていないと思います。
それでも、少しでも
〜特に災害時に医療が必要な方の備え、心構え〜
について、
「考えるきっかけになったな〜」と思っていただけたり、
「これは知らなかったな」「なるほどな」という気づきがあったり・・・
してもらえましたら嬉しいです
皆さんのお近くでも
災害対策に関する講演会や、防災訓練など行われていると思いますので
実際に参加してみてくださいね
専門家のお話を聞くと、意識が高まります。
気合いが入りますっ
災害対策は、
一人ひとりが意識して心がまえをすることから始まると思います。
全7回の特集でした。のんびりすぎる更新で申し訳ありません。
お付き合いくださいましてありがとうございました。
最後になりましたが
岡本先生、貴重なお話をありがとうございましたm(__)m
■静岡県の方へ。重要なおまけ:【静岡県の対策】
静岡県統合基盤地理情報システム(GIS)
http://www.gis.pref.shizuoka.jp/
静岡県内の地震・津波被害想定他、災害危険地域や土砂災害情報など
災害関連情報が地図上にわかりやすく表示されます。
静岡県内にお住まいの方は、
ご自分の街が津波被害や土砂災害の危険がないだろうか、
高台へ逃げるとしたらどの道を通ればよいか、、、など
確認するのにこのシステムを使えると思います。
利用規約に同意する必要がありますが、だれでも使えます。