2022年11月04日

【連載】難病SLE患者が大腸憩室炎をこじらせた闘病記(3)S状結腸切除術および人工肛門増設術 外科手術のこと

連載第3回となります。
第2回を書いてから、長らく間が開いてしまいすみませんでした。

以下で書く手術が昨年の10月で、退院から1年が過ぎました。
同じ季節になると、同じ空、気温、空気感、匂い・・・で、あの辛かった入院中を思い出してしまいますが、
いま、元気に過ごせていることに感謝でいっぱいです。





さて、SLE患者が大腸憩室炎をこじらせた話。
あまり症例がないかもしれないので、(私が昨年闘病した時に、いろいろネットで調べたのですが見つからなかったし、私の担当医からもこんなに悪くなるのは珍しいと言われたりしたので)

少し詳細に書いて残しておきたいとおもいます。

誰かの闘病のお役に立つことがあるかもしれないし、

ご参考になることが少しでもあればいいなと思います。


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(写真は、2021年11月4日 退院日の朝食)




大腸憩室炎という珍しくない病気になった私ですが、
私が膠原病(全身性エリテマトーデス:難病)の持病があり、長年にわたりステロイドを服用していたこと、
そして、薬アレルギーが多いことから治療が難航しました。



ついに、「内科的治療の限界。外科手術しかない・・・」と、いうところまで追い込まれたのです。

とはいえ、私は使える抗生物質がほとんどない状況であったことから、外科も手術に二の足を踏んでいたようです。


薬アレルギーの私にとって大きな問題「抗生物質」

使える抗生物質は「クラビット(レボフロキサシン)」だけ。
このクラビットを1ヶ月ぐらい点滴や経口で使い続けていました。

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(写真は、経口のクラビット(レボフロキサシン)[抗生物質])




1種類使える薬があるからいいんじゃない?これで手術ができるんちゃう!?

と、思いたいところですが、
そうじゃないらしいのです。

抗生物質には、よく効く菌のグループがあるらしくて、
クラビットは広範囲の菌に効きますが、
私が手術をせねばならないのは、「お腹」

お腹の中に効かせたい薬としてはクラビットだけでは足りないとのこと。

お腹の中は、「嫌気性菌(けんきせいきん)」というグループに入る菌が多いらしくて

お腹の中の菌によく効くとされる抗生物質も使わないといけない。


そこで、病棟の内科担当医が提案した

抗生物質が「クリンダマイシン」という薬でした。



普通は、「ペニシリン系」の抗菌薬を使うらしいですが、

私の古いカルテに『ペニシリン禁』と大きく記載されていたので、

昔から「私は『ペニシリン』は使えない」ということになっています。


(自分でもいつペニシリンを使い、どんなアレルギーが出たのか覚えてないし、カルテにも詳細な情報はないのですが・・・

大きく『ペニシリン禁』と書かれているので、試すわけにもいかず・・・)




それで、「クリンダマイシン(リンコマイシン系)」が候補に挙がりました。


その薬品名を聞いて、薬アレルギーが多い私は、

自分で「飲める薬なのかどうか」、調べてわかるかわかんないけど・・・、それでも私は調べました。



すると、「アトピー性体質の患者は重症の即時型アレルギー反応のおそれ」という記述があったのです。

私は子供の頃にアトピーだったし、アレルギー体質だし、あかんのちゃうん?と、この薬の事が恐ろしくなりました。


病棟の内科担当医に
その不安を伝えてもあまり聞き入れてくれず、

「みながみなアレルギー出すわけじゃない。怖がってたら、薬なかったら手術できない」と言う。

でも、「そうですね」とはいきません。

私は薬アレルギーで以前に死にかけてますから※、
他に薬はないか、インターネットで調べまくりました。




すると、「フラジール(一般名:メトロニダゾール)」が、
私にとっては副作用(や、アレルギー)がでにくそうで、
お腹の中に多い「嫌気性グラム陰性桿菌」に効く薬として、紹介されているページを見つけました。

このフラジールは、他にも婦人科系の感染症や、胃のピロリ菌除去などにも使われる薬のようです。


見つかったと喜んでみたものの、

やはり初めて使う薬は怖い。



だって、使ってみないと、使えるかわからないんですもん。
あかんかったら、どうするの?

大学病院の救命センターに入院しているのなら、

もしも何かあっても対応できるでしょうけど、

この地方の病院で、なにかあったら対応できるのか・・・

と、不安でいっぱいでした。



外科へ転棟:手術3日前

で、細かく言うと長くなりすぎるので・・・、

こののち、外科に私は転棟になり、手術の準備が進みました。


外科の主治医も手術の説明時に

「クラビット」&「クリンダマイシン」の2種類の抗生物質で、

手術を行うという説明でした。



その時にももう一度、フラジールについて考えて欲しいと私はお願いしていました。手術の3日前の事です。





それで、結局、

膠原病内科の主治医(外来の先生)の意見も加わり、



外科の主治医が、

「教科書でもう一度調べたんですが『フラジール』でもいけそうなので、明日は『フラジール(点滴:アネメトロ)』を使います」


と、言ってくれたんです!

私は、かなりホッとしました。


これが、手術前日の話。




使う抗生物質は、
「クラビット(一般名:レボフロキサシン)」と「フラジール(一般名:メトロニダゾール)」に


フラジールにしてくれたと言っても、

使えるかどうかわからない抗生物質・・・

「もしも、抗生物質にアレルギー出した時は、救命措置ができますか?」と念を押し

外科主治医から
「その場合に備えて、対応できるようにしますから安心してください」と言ってもらったので、

もう、外科医を信じるしかありませんでした。


それに、手術せねば、長くは生きられない状態です。

その時点で、何ヶ月もろくに食事がとれず、みるみる干上がっていました。激やせです。



しかし、幸いSLEは落ち着いていて、抗DNA抗体が今までに無いほど数値がよくなっていました。



手術前の検査など

・(造影)大腸カメラ・・・痛い上に、造影剤(もしくは鎮静剤)へのアレルギーだったのか、夜中まで悲惨な状態でした。
・肺活量検査・・・全身麻酔をするために必要な検査のようです
・胸部/腹部レントゲン

・エレンタール(栄養剤)・・・腸が詰まっているので、下剤がつかえないため、手術で腸を切った時に腹腔内に便がもれたら感染症がややこしいので、数日前から小腸で吸収される栄養剤だけをちびちび飲んでお腹の中をからっぽにせねばなりませんでした。
まずかったし、あまり飲めなくて、、、

・新型コロナのPCR検査(高熱出したので、入院時だけじゃなく、手術当日にもしました)


手術前日

・シャワー
・爪切り
・ナースからの手術の説明
・弾性ストッキングのサイズ合わせ など


そして、

私の手術は、

大腸憩室炎で炎症をおこし腸の壁が分厚くなって大きな腫瘤状になってしまった「S状結腸」を切り取り、
ふつうなら、悪い所を切ったら、健康な腸をつなぎ合わせて終わる手術なのですが、


冒頭にも書いていたように、
私は持病(全身性エリテマトーデス)の治療の為に、長年ステロイドを使っているので
キズが治りにくいんです;;;

手術の時は、縫い合わせた箇所がひっつかなくなる「縫合不全(ほうごうふぜん)」を起こす危険性があると言われていました。


そこで、S状結腸を切って縫ったあと、傷口がキレイにひっつくまで
大腸を休ませてあげる作戦となり、

小腸に人工肛門(ストマ)を作る手術を同日に行うことになりました。


ちなみに、小腸の人工肛門は「イレオストミー」と言います。


「人工肛門」とは・・・、


びびる響きです。


お腹に穴をあけて、小腸を体の外に出してくるのです。

食べたものは、胃、十二指腸、小腸を通り大腸にいこうかなぁ〜!

と、なったところで体の外に出されてしまう。って感じです。



大腸の手前で、腸が切れてしまっているので大腸には食べ物はやってきません。


体の外には、専用のパウチ(袋)をピタっと貼り付けていて、そこに消化されたものが、勝手にでてきます。

人工肛門にはほんものの肛門のような筋肉がないので、自分の意識ではどうにもなりません。

腸の動きがそのままです。



そんな、説明やお腹にあける穴の位置を油性ペンで書いたりと、
人工肛門の専門知識を持ったナースが、
手術前に、優しくストマに関していろいろと教えてくれました。


不安いっぱいで、おろおろしながら、

知らない事ばかりの説明を聞きましたが、


まだ生きたかったので

「人工肛門になっても生きられるならその方がいい」と、

その気持ちの方が大きくて、

人工肛門の手術について、あまり大きな抵抗はなかったです。



それより、「抗生物質にひどいアレルギーがでませんように、全身麻酔からちゃんと目覚めますように」という事ばかり

祈っていました。




長くなってしまったので、
「手術当日から術後のこと」は、次回(第4回)に書きたいと思います。




2022年10月20日

明日で初手術からちょうど1年

去年のいまごろ、
ずーっとずーっと食事ができず、
エレンタールという栄養剤を飲んでるだけで、
病院のベッドに埋もれていました。

「明日は手術・・・」

はじめての大きな外科手術を前に、前日は緊張していたなぁと思い出します。

でも、

早く悪いところを取って欲しい・・・
ごはんを食べられるようにしてほしい・・・
私は麻酔で寝てるだけ、先生が頑張ってくれるんだから・・・

と、心を落ち着かせていました。

もう、「まな板の上の鯉」です。


遅くなってしまったけど、
1年の区切りには、手術のことを詳しく書きたかったのですが、
明日は通院日で書くのが難しそう。

このところ、少し体調崩していて、
なかなか長い文章書く体力なくて遅くなってますが、
そう遅くならないうちに、手術のことを書きたいなと思います。

大腸憩室炎の話。

こちら、前回です↓


2022年04月17日

【連載】難病SLE患者が大腸憩室炎をこじらせた闘病記(2)内科の限界、踏み切れない外科手術・縫合不全への懸念、そして・・・

退院後、なかなか体調が落ち着かず、良い日が続いたと思ったら、
突然やってくる謎の激痛にうなされています。
しかし、ここ数日、やっと体調復活傾向です!

今日で退院後1ヶ月!やったー


今回の大腸憩室炎のお話、記録しておきたい気持ち、
そして私の闘病経験が誰かのお役に立てることがあるのではと思い、
【連載】として投稿します。

今日は、前回の続き(2)です。


大腸憩室炎という、珍しくない病気なのに、

どんどん悪化してしまい

内科的治療ではどうにもならなくなってしまったところからです。

前回のはこちら>

【連載】難病SLE患者が大腸憩室炎をこじらせた闘病記(1)




・内科的治療の限界

レボフロキサシンという抗生物質を延々と点滴で落とし、
そのうち経口に変わり、とただただ、
抗生物質と柔らかい食事で寝ているだけの治療が1ヶ月続きました。

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週に3回ぐらい38〜39度の高熱が頻発。
腹痛あり。
激痩せ。

入院していても手の施しようがありませんでした。
CTによると大きな膿の塊が出来ていて、高熱の原因だろうと。

しかし、膿ができた位置が悪く
お腹の外から針を刺して膿を出すことも出来ない。

では、腸の中から針を刺すか・・・となれば、そんな機材がこの病院にはない。
私が遠くの病院へ転院できるような状態ではない。


八方塞がりでした。


そんな時、いつものように早い消灯時間を前に、テレビを見て過ごしていたら
突然に、恐ろしいほどの
震え、寒気が襲ってきました。

尋常じゃない。
ただごとじゃない寒気。

震えて震えて震えて、恐怖を覚えました。

30分ぐらいで震えはおさまり、
結局、40度超える熱が出ました。

熱にうなされ、朝はヘロヘロになっていました。


そして、
CTの結果・・・

腸の横にできていた膿が破裂。その結果の高熱だとわかりました。

もしも、
破裂した時に、血管に菌が混ざってしまうと「きんけつしょう」になる。と説明を受けました。


私> 「 きん けつ しょう 」「金欠症???」

「確かに、私は金欠だが・・・、なんのこっちゃ!」

と思っていたら

「菌血症」らしいです。


その後、
「敗血症」になると命に関わると。

「そんなことになると一刻を争うから
無菌であるはずの血管内の血液に、バイ菌が入っていないか検査します。」と言われ、

血液培養検査を受けました。

片腕から20ccの採血を両腕から。全部で40ccの血液を摂られ・・・

食事もろくにできてない体から

そんなに血液を摂っていくなんて・・・(涙)




結果判明まで、5日間ほど待ち、

結果、5日経っても、バイ菌は検出されませんでした。

菌血症にはなっておらず、助かりました。
ちょっと安堵。


とはいえ、治療方法がないことには変わりなく、
いつ何か起きるかわからない恐ろしさが続いています。





・医師がなかなか踏み切れない・・・外科手術
縫合不全の懸念

この頃から、
内科担当医から手術の話が出るようになっていました。
外科にも相談していると。


本当は、9月16日に大腸カメラをした後にすぐ「これはひどい。手術になるわ。明日にでも外科に来てもらって話を聞くようにしよう」と、
言われていたのに、

翌日には、コロっと話が変わり、
内科チームでのカンファレンスの後で、
内科で治療する方針となったようで、怒涛の抗生物質攻めの1ヶ月になったのでした。


そりゃ、私だって
内科治療で治るものなら、治してもらいたい。

メスを入れたくない気持ちは大きかったです。



しかし、1ヶ月経っても改善されず、膿が破れて大変な高熱は出るわ。


もう、手術も仕方ない、早く助けてくれ!このままじゃ命が危険だ、と思いました。


手術で悪い腸を切っちゃえば治るじゃん!
って、


そう単純でないのが、
私の持病SLEとその薬ステロイドを飲んでいるところ。



さらに、私は薬アレルギーが多く、その時点で使えることがわかっている抗生物質が「1種類」しかなかった。
というのが、大きな問題で

医師たちも頭を悩ませ、治療に積極的になれないところでした。


長年ステロイドを飲んでいると
傷が塞がりにくい体質になっているのです。


確かに、手とかにできた小さな傷も治りにくいし、傷跡が残ります。
手術となると、メスで大きく切るので、
縫ってもキズがひっつかなくなる縫合不全(ほうごうふぜん)が大変懸念されていました。


大腸を切って、縫合不全を起こすと
便が腸から漏れる危険がある。

すると体内で大変な感染症が起き、それこそあっという間に命の危機です。
さらに、私は抗生物質が使えない。

メスで切るだけでも感染症の危険が大きいのに、
細菌を殺してくれる抗生物質が使えないとなると、
手の出しようがない。





・ステロイドユーザーであるがゆえの人工肛門

だから、手術するとなると
縫合不全を回避するために、「人工肛門」をつけねばならないという説明でした。

悪い大腸を取る手術をして、腸をつなげ、傷をふさぐ。

私のようなステロイドユーザーは、大腸の傷が塞がるまで時間がかかるから
傷がある腸を休め、ひっつきやすいように、
小腸で腸を切り出してお腹から出す人工肛門をつけるということです。


小腸に人工肛門があれば
食べたものは、大腸を通ることがなく、大腸の傷口から便が漏れる危険はありません。


大腸はゆっくり傷を癒して数ヶ月待てばしっかりくっついてくれる。
そんな作戦です。


内科担当医は「まだお若い女性だから、人工肛門はなるべく避けたい」と、言い
手術は勧めません。

私だって、人工肛門の説明を受けた時は、
調べてそんなことになることがあると知ってはいたけど

医師から面と向かって説明された時には、
ショックでした。


でも、そんな、
女性だからとか、まだ若いからとか
言ってられる状態ではなくなってきています。

命の問題です。

まだ死にたくありません。


というわけで治療の方向が少し見えてきましたね。

まだ手術に至る前に、乗り越えないといけない大問題があります。


そう、使える抗生物質が少ない・・・という手術には大きな問題です。
長くなったので、


次に続きます。

・次回(3)は、S状結腸切除術および人工肛門増設術 外科手術のこと







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